第22回北海道小児健康フォーラムが終了いたしました

今年はコロナウイルス感染状況を鑑み、はじめて動画によるオンデマンド配信としました。期間中に、多数の皆様のご視聴をいただきました。誠にありがとうございました。

来年度も多くの皆様に興味をもっていだけるテーマを、多くの皆様にご覧いただける形でお届けしたいと考えております。

 


期間中に配信内容にいただいた質問・ご意見に関し、講師からご回答させていただきます。

講演2:”今こそ考えたい「ワクチン」 -安全なの?必要なの?-” に関しいただいたご意見に吉田陽一郎からご回答いたします。

 

ご意見:子宮頸がんについては、ワクチンのみならず検診の重要性も知らせるべき。自治体も検診への助成事業を行っている。

ご回答:ご意見ありがとうございました。多くの子宮頸がんは、子宮頚部にヒトパピローマウイルスが感染することにより引き起こされます。ですが、まれにウイルス感染によらない子宮頸がんもありますし、ウイルス感染によるものでも子宮頸がん検診を定期的に受けていれば、より早期に発見することもできます。ご指摘の通りで子宮頸がんの患者さんを一人でも減らすには、私もワクチンと定期検診は重要な両輪と考えています。助成に関してはご意見の通り、旭川市を例にとると、20歳以上の女性は2年毎に(子宮体がんと子宮頸がん検診をあわせても)1回千円前後の自己負担で検診をうけることができます。動画の中で検診に関する強調が不足しておりました。貴重なご意見ありがとうございました。

 

 

ご意見:mRNAワクチンと心筋炎の解説で100万人当たりの心筋炎が疑われた報告頻度に関する以下グラフが出ている。しかし,厚生労働省のホームページhttps://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000844075.pdf
によると,コロナで感染した人は,入院患者の15~40歳未満の男性を基準としている。つまり,入院患者である点(そもそも,コロナにかからない人が大半であり,かかっても入院しない人が大半),40代までを対象としている点(対象範囲が広い)において,比較対象として不適切ではないか?。

ご回答:出典にあたっていただき、詳細なご質問をいただきました。誠にありがとうございました。動画で提示のグラフでは”ワクチン接種にて心筋炎になった群(=ワクチン群)”と”コロナウイルス感染より心筋炎になった群(=コロナウイルス群)”で年齢分布や入院の有無が異なっており公正ではないのではないか?という意見をいただきました。ご指摘の通り、年齢はコロナウイルス群が(とくに国内では)15−39歳と集計範囲が広くなっています。出典によりワクチン群をほぼ同じ年齢群に合わせた10−39歳男性で集計し直すと、男性100万人あたりファイザー15.6人、モデルナ58.9人となり、やはりワクチン群による心筋炎のほうが依然として圧倒的少数です。コロナウイルス群による心筋炎を意図的により多く見せる意図はなかったのですが、正確性にかけた表現でした。また出典によれば、コロナウイルス群は母数を入院症例(つまり中等症以上)としているが、軽症も含めたコロナウイルス感染症全体でみるとこれほどの差ではないのではないかというご指摘もいただきました。これに関しても、動画や表では説明が不足しておりました。ワクチン群をコロナウイルス感染全体と比較したかった意図はないので、”新型コロナウイルス感染にかかった場合”を”中等症以上の入院を要する新型コロナウイルス感染にかかった場合”と読み替えていたけると幸いです。動画の解説のとおり、コロナワクチン接種は罹患率だけでなく明らかに入院率を低下させますので、ワクチン接種はコロナウイルス感染による心筋炎患者の絶対数を減少させる可能性があります。以上により、ワクチン接種の重要性を強調する意図は変わりませんが、より正確に表現すべき点でした。ご意見ご指摘まことにありがとうございました。

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