竹口 諒先生の論文が、Journal of the Neurological Sciencesにアクセプトされました!

神経グループの竹口先生の論文が、Journal of the Neurological Sciencesにアクセプトされました!
Ryo Takeguchi, Satoru Takahashi, Yuichi Akaba, Ryosuke Tanaka, Shin Nabatame, Kenji Kurosawa, Toyojiro Matsuishi, Masayuki Itoh. Early diagnosis of MECP2 duplication syndrome: Insights from a nationwide survey in Japan. J Neurol Sci. 2021;422:117321.
PMID: 33516938
Impact Factor 3.115, CiteScore 4.9
おめでとうございます。

本論文の主旨は以下になります。

MECP2重複症候群は、生後早期からの筋緊張低下・重度の精神運動発達遅滞・反復性感染症(呼吸器や尿路など)および難治性てんかんを特徴とする、非常に稀な神経難病であり、本邦には約50人の患者がいます。本症の特徴である反復性感染症や難治性てんかんは、早期死亡や発達退行をきたす可能性があるとされており、これらの症状に対して早期に治療介入することにより本症の生命・神経学的予後を改善できる可能性があります。今回、全国アンケート調査を行い、早期診断に繋がる臨床的な特徴を考察しました。

調査の結果、MECP2重複症候群患者は平均で生後7か月で何らかの理由で病院を受診しており、初診時において過半数の患者が以下の症状(顔貌の特徴的な所見(小さな口・テント状上口唇・先細りの指・眼間解離など)、筋緊張低下、運動発達遅滞、反復性感染症)を呈していました。特に、初診時点で発達遅滞に反復性感染症を伴う場合には、本症を鑑別する必要性が高いと考えられました。一方、これまで特徴的と報告されてきた難治性てんかん・常同運動・消化管機能異常などは、初診時には必ずしも認められず、年齢とともに明らかとなる傾向があり、顔貌についても乳児期と小児~青年期では特徴が変化することがわかりました。これらの特徴については、初診時には明らかでない可能性があることに留意が必要です。

上記の臨床的な特徴を念頭に早期に遺伝学的検査を行うことが、本症の早期診断および治療に繋がる可能性があります。

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