田中亮介先生の論文が、Human Genome Variationに掲載されました!

神経グループの田中先生の論文が、Human Genome Variationに掲載されました!

Tanaka R, Takeguchi R, Kuroda M, Suzuki N, Makita Y, Yanagi K, Kaname T, Takahashi S
Novel NARS2 variant causing leigh syndrome with normal lactate levels 
Hum Genome Var. 2022;9(1):12.    doi: 10.1038/s41439-022-00191-z
https://www.nature.com/articles/s41439-022-00191-z

おめでとうございます。
論文の主旨は以下になります。

Leigh症候群は小児期に発症するミトコンドリア病で、頻度の多い疾患です。血清や髄液で乳酸値の上昇を認めることが診断根拠の一つですが、乳酸高値を認めない症例もあるので注意が必要です。今回私たちは、血清、髄液で乳酸値の上昇を認めず、M RスペクトロスコピーでもLeigh症候群と診断できなかった症例について、発症から20年以上を経て、全エキソーム解析で診断に至った症例を報告しました。本症例で病的変異が同定されたNARS2遺伝子は、ミトコンドリア内でtRNAにアスパラギンというアミノ酸が結合するために必要な酵素をコードしており、たんぱく質合成に重要な遺伝子でした。
ミトコンドリア病と早期に診断することによって、合併症を生じやすい薬剤を避けることができます。Leigh症候群が鑑別に考えられた場合には、全エキソーム解析など、遺伝子検査を早めに行うことはとても有用であると考えられました。