津田淳希先生の論文が、小児科臨床に掲載されました!

津田淳希先生(現 旭川厚生病院勤務)の論文が、小児科臨床に掲載されました。津田先生が循環器グループ研修中に経験した症例をまとめたものです。

津田淳希、島田空知、中右弘一、梶濱あや、岡 秀治、大野聖子、東 寛
『Timothy症候群の心外症状を伴わないQT延長症候群8型』
小児科臨床. 75巻 3号 445-8頁 2022.

おめでとうございます。

以下、論文の要旨になります。

CACNA1Cの遺伝子変異により発症するQT延長症候群8型は、これまでTimothy症候群という多発奇形や精神神経疾患を伴う予後不良の疾患として知られていました。しかし網羅的遺伝子解析の普及により、心外症状を伴わずQT延長症候群のみを発症する患者がいることが分かってきました。
我々が経験した症例は、生来健康で、学校心臓検診を契機に心電図QT延長と無症候性の多型心室頻拍(図)を認めた中学生男子です。CACNA1C遺伝子変異を認めましたが、Timothy症候群に当てはまる心外症状を持たず、抗不整脈薬による予防治療が奏功しました。
遺伝子解析の普及と進歩により、同じような患者さんが見つかってくることが予想されます。