学会旅日記 第5回

先日、11月1日〜3日に横浜市で開催された、第55回日本小児内分泌学会学術集会に参加しました。現地に加えライブ配信・オンデマンド配信を含むハイブリッド開催で、大学からは、鈴木滋先生、齊藤翔真先生も参加されました。

宿泊していたホテルから会場までは約20分、秋晴れで気温は20℃と暖かく、散歩がてら歩いて会場へ向かいました。
Googleマップを片手に歩いていると、スーツ姿の群衆に遭遇し、「あ、仲間だな」と思いスマホをそっと閉じて流れに身を任せて進みました。私の前を歩く全員が同じ企業の建物に吸い込まれ、彼らが実は出勤前のサラリーマンだったことに気づいたときは、激しく動揺しましたが、今回の会場、パシフィコ横浜ノースが堂々とそびえ立ってくれていたおかげで、迷わずに到着することができました。

学会では、普段の内分泌診療の参考になるものや、先進的な研究のほか若手医師向けにわかりやすく解説してくれるものも多く、専攻医の私にとっても、大変勉強になるものばかりでした。

私の発表は『webポスター』という部門で、ポスターを会場に貼りつつ、同じ内容のスライドを使ってzoom越しに発表するという、現地参加者・オンライン参加者の両方に寄り添った新しい形式でした。
発表内容は、乳幼児期の発症がまれと言われている橋本病の幼児3例の報告です。発表後には、座長の先生と会場の先生からご質問をいただきました。

今回は『密度の濃い討論のために質問と返答は簡潔かつ端的に』ということで、質問の際に「貴重な発表を・・」「ご質問ありがとうございます・・」などの文言はつけないように、と注意喚起されていました。会場ではそれが徹底されていて、そのせいか、議論がぎゅっと濃縮されている印象でした。

質疑のときの空気感は、する側も返答側も緊張感があってまだ慣れません。私の場合は端的な回答には程遠く、もっと精進しようと思っていたところに、一人の女性の先生が複数の演題で質問されているところを見かけました。物腰は柔らかいけれど、内容と選ぶ言葉はとてもスマートで、先生自身の演題発表もとても聞き手に親切なものでした。ついうっとりしてしまい、私もこういう風になりたいなと思いました(今度お会いしたら是非思いの丈を伝えたい)。

そういう目で発表を聞いていると、いろんな先生の発表の際の話し方や姿勢、スライドの作り方などは多種多様で、盗みたい技術がいっぱいでした。zoomの画面越しには感じにくいこういったものこそ、現地参加の醍醐味だなと感じました。

それでは少しだけ、学会のあとに感染対策をしながら散策した横浜の様子をご紹介します。

発表前夜に、景気付けにドイツビールをプレッツェルやソーセージとともにいただきました(ごはんの写真は忘れました)。

横浜と言えば中華街です。絶対食べようと思っていた小籠包を食べました(小籠包の写真も忘れました)。

山下公園を散歩しようと意気揚々と向かっていると、横浜マリンタワーに出会いました。

旅先のタワーには登っておきたい性分なので、展望フロアから横浜の街を眺めました。

少し葉が色づきつつある山下公園は綺麗で、上から見てすごく満足しました(ので散歩をするのはやめました)。

昼も夜も横浜の街は明るくてキラキラしており、とても素敵な街でした。

そんな景色にも背中を押され、今後の診療と学術活動を頑張ろう!!と改めて思った3日間でした。

小児科専攻医 柴垣有希