先生

病院で仕事をしていると、患者さんやそのご家族、同僚、コメディカルの方達、そしてスタバの店員さん達からも「先生」と呼ばれます。辞書によると「先生」とは、先に生まれた人、学問や技術などを教える人、教師・医師・弁護士など学識のある人や指導的立場にある人の敬称、親しみまたはからかって呼ぶ称、といった様々な意味があるようです。我々が「先生」と呼ばれる時は、一応「敬称」ということになるんでしょうか。そんなに自分が偉いとは思いませんけどね。でも自分が偉いと勘違い(?)している「先生」達、結構いるような気がします。もし仮に偉くなったとしても偉そうにはならないように。肝に銘じておきたいですね。

そんな私達にとっての一番の「先生」は、患者さんやご家族です。これまで色々な経験をさせてもらいましたが、「先生」になって20数年経った今でも本当に多くのことを教わっています。医療に関することはもちろんですが、患者さんの人生の一部に関わることで、人間としても成長させてもらっていると感じます。しっかりとした人生観、死生観を持つことは、最新の医学知識を持つことと同じように大切なことだと思います。

そういえば、医師になりたての頃、看護師さん達から「先生!こんな指示受けられません!」とか、「先生!ちょっとどいて下さい!」とか、挙げ句の果てには「先生!早く先生呼んできて下さい!」とか言われたことをいまだに思い出します。こんな時の「先生」は、もはや「敬称」ではなく、「軽蔑」に近かったんじゃないかと思います。もちろん自分の実力不足のせいで仕方なかったんですけどね。

ちゃんとした「先生」扱いしてもらえなかった頃の看護師さん、実は今も何人か院内にいらっしゃいます。いまだにお会いすると緊張して変な汗をかいてしまいます。こういうの、いつになったら克服されるんだろう。ずっと無理なのかなあ。

タイトルとURLをコピーしました