成功体験

新年度、大学病院で働き始める先生たちは色々な手続きをする必要があるのですが、その一つに放射線診療従事者用の血液検査というのがあります。さっさと提出しなきゃいけないということで、異動で来られた先生たちは、とりあえず目に付いた人に頼んで採血してもらいます。

栗沢先生は、実習中の医学生さんに採血してもらっていました。いや、正確には「採血させてあげてた」かな?そして、それを心配そうに見守る高橋健太先生。

実は彼、学生さんが採血する前に、まずは見本を見せるということで、自ら実験台になりました。すでにこの検査を終えていた彼には、採血される必然性はありません。それでも目をつぶって痛みをこらえて、学生さんのために腕を差し出しました。えらいえらい。その成果もあってか、学生さんの採血は見事(2回目で)成功したのでした。この成功体験が学生さんの将来に役立てば嬉しいですね。

成功すると喜びを感じる。成功すると自信になる。
喜びは努力の原動力となり、自信は心の余裕を生む。努力を続け、心に余裕ができれば、それは更なる成功に繋がる。成功体験を積むということは、人が成長するためにとても大切なことだと思います。

でも、一度の成功で得た喜びや自信なんて、一度の失敗で簡単に失われてしまいます。成功しても喜び過ぎない、自分の力を過信してはいけないということは、心に留めておきたいですね。また、人生で成功し続けるということはあり得ません。失敗を恐れず、失敗してもそこから何かを学ぼうとする姿勢を持ち続けることが大切なんだと思います。そして何より、たった一度の成功体験に満足し、それに縛られて新たな挑戦を忘れることがあってはいけないと思うのです。

ちなみに私の最近の成功体験はというと、

病院ローソンのセルフレジでスムーズにお茶を買えたとか、

出張先で、私の好きな高倉健主演の映画「駅 STATION」風の写真がいい感じで撮れたとか、

ちょっと変顔しても出退勤の顔認証ができたとか…。

小さな成功体験の積み重ねが成長の源になるとはいえ、残念ながらこれらの成功体験が私の人としての成長に繋がるとは思えません。こうして独り言のネタにはなりますけどね(笑)。

ちなみに以前の独り言で紹介したDr. X、性懲りもなく先日の病棟回診中に「大豆アレルギーの検査が一番ダイズ(大事)です」とか言っちゃってました。あーあ、またやったと思いきや、なんとこれが看護師さん達に結構ウケたんですよね。
この成功体験(?)がDr. Xのオヤジギャグのレベルアップに繋がるかどうかは分かりませんが、これに満足することなく挑戦し続ける気持ちをダイズ(大事)にして、私の独り言にネタを提供し続けてくれることを切に願うのでした。