2022年 春

先日、春の陽気に誘われてお散歩していると、近所の公園の桜が満開でした。北国旭川は、これから春の盛りを迎えようとしています。

遠くに見える十勝岳連峰はまだ雪を頂いていますが、少しずつ山肌も見えてきています。春の彩りと冬の名残が同居する、北国ならではの風景ですね。

北海道の桜といえば「エゾヤマザクラ」。花が咲くのと同時に葉も開くのが特徴です。その色合い、「ソメイヨシノ」で育った福山市出身の私には、桜というより桜餅に見えてしまうんですが、それでも満開の桜を見ると思わずため息が出てきます。でもこの桜、数日後には散ってしまいます。花の命は儚い。でも、だからこそ、より美しいと感じるのでしょうか。

さて、春真っ盛りの5月といえばコイの季節です。


小児病棟のプレイルームにも、


周産母子センターの入口にも、鯉のぼりがたくさん泳いでいます。
こういったことで入院中の患者さん達が少しでも季節を感じてくれたら。そして、鯉のぼりには子ども達の健やかな成長や健康を願う気持ちが込められています。病気と闘う子ども達が、早く元気に退院できますように。

で、コイといえば、私が応援する広島東洋カープ。そう、カープ=鯉です。

私は旧広島市民球場時代からのオールドファンですが、昭和の時代から「カープは鯉のぼりの季節まで」という格言(?)があります。これって、カープは開幕して1か月ぐらい調子が良くても、5月の連休あたりからみるみる失速して最終的には下位に沈むという、我々カープファンにとっては実にありがたくない話なのです。
ちなみに今年は現在17勝14敗の勝率.548で、セ・リーグの3位。最近調子が落ちてきたような気がしますが、この後果たして格言通りになってしまうのでしょうか!?

そして春といえば恋の季節。最近、看護スタッフ達の恋バナもよく耳にします。いい話もあれば、うまくいかない話もあるようで、人生色々、恋も色々。
ちなみに我が家にある「三省堂国語辞典 第七版(広島東洋カープ仕様)」によると、恋とは“人を好きになって、会いたい、いつまでもそばにいたいと思う、満たされない気持ち”だそうです。最後の“満たされない気持ち”にナルホドと深く頷く私。上手いこと言いますね。さすが国語辞典。

さて、初めに紹介したエゾヤマザクラ。北海道のものは本州のものより花の色が”濃い”そうです。その理由は北海道の厳しい寒さ。冬の気温が低い方が、開花の時期は遅れるけれど、花の色は濃くなるとのこと。

冬の寒さが厳しいほど、それに耐えて迎えた春には、より色鮮やかな花が咲く。
世の中は不条理に満ちていて綺麗事ばかりじゃありませんが、それでも青空に映える満開の桜を見上げながら私は思うのです。厳しい現実に耐えているたくさんの人達の人生が、一日でも早く色鮮やかなものになればいいな、と。
「春よ来い、早く来い」。