人を育てる、人を残す

とある日の午後、小児科病棟の処置室にて。

患者さんの検査を終えた血液・腫瘍グループのお二人。先輩の更科先生(座り方が王子)が後輩の福井先生(座り方がヤンキー)に何やら指導中です。今年から本格的に専門領域の勉強を始めた福井先生、先輩達の指導に応えて色々吸収しようと頑張っていますね。

そしてこちらは、とある休日の午前、小児科の実験室にて。

感染・免疫・腎グループのお二人。こちらも先輩の長森先生が、後輩の吉田先生に何やら指導中です。こちらは先輩後輩というより仲の良いコンビといった感じですが、長森先生の指導のかいもあって、吉田先生は昨年無事学位を取得しました。

-金を残して死ぬのは下だ
 事業を残して死ぬのは中だ
 人を残して死ぬのが上だ-

これは明治から昭和初期に活躍した、政治家であり医師でもある後藤新平の言葉です。お金や事業を残すよりも、次の時代の担い手となる人を育て、残すことの方が大切だということを私たちに教えています。
人を育てるのには時間も忍耐も情熱も必要で、本当に難しいことだと思います。でも、私も今まで育ててもらった人達に感謝しながら、少しでも後進の育成に貢献できればと思っています。

で、とある日の午後、道立高等看護学院助産師科の視聴覚室にて。

これは私が担当している新生児蘇生の講義の様子。皆さん熱心に聞いてくれています(写真掲載の許可もありがとうございます)。彼女達、これからたくさんの生命の誕生の瞬間に立ち会い、それをサポートすることになります。少しでも私の講義が彼女達のこれから、更には生まれてくる赤ちゃん達の役に立ってくれたらって思います。

そして先日の夕方、医局にて。
医学科6年生の藤城君が小児科に入ることを表明してくれました。

紹介記事に「小児科実習を経験して、科の雰囲気や先生たちの人柄が素敵でした。そこが決め手でした」とありましたが、何を隠そう、彼が昨年小児科実習で回ってくれたのが、我が新生児グループだったのです。ということは、私たちの指導が次の時代の担い手となる小児科医を残すことに貢献したのかな?

で、これがその時の様子。
実習中の、とある日の午後、病棟の医師記録室にて。
なんですが…

二井先生と私、どう見ても雰囲気や人柄がいいとは思えません(汗)。
ということは、以前の独り言で紹介した、伊藤先生の熱心な指導のお陰だったのかな?
もしくは今年の実習で回っていた感染・免疫・腎グループのお陰だったのかな?

ま、経緯はともかく、これまで6年生が2人も小児科入りを表明してくれて、本当に嬉しい限りです。

で、とある休日の昼下がり、医局にて。

相次ぐ入会表明に、准教授も医会長もそろって大層ご満悦な様子だったのでした。