伊藤啓太先生の論文が掲載されました

循環器グループの伊藤啓太先生(現在、兵庫県立こども病院に留学中)の論文が、The Egyptian Heart Journalに掲載されました。

Left atrial vortex flow and its relationship with left atrial functions in patients with congenital heart disease.
Ito K, Oka H, Shibagaki Y, Sasaki Y, Imanishi R, Shimada S, Akiho Y, Fukao K, Nakagawa S, Iwata K, Nakau K, Takahashi S.
Egypt Heart J . 2024; 76: 53.

以下、論文の要旨です。
4D flow MRIでは、三次元構造の経時変化情報を収集することで、血流を可視化することができます。「左房うず流」は健常人で認める所見ですが、消失している場合には、成人では血栓形成や不整脈との関連が示唆されています。しかし、先天性心疾患患者さんでの「左房うず流」の意義は明らかにされておらず、我々はそれを明らかにする目的で研究を行いました。結果として、先天性心疾患術後患者さんでは「左房うず流」の消失が多く認められ、左房機能の低下とも関連していました。注目すべきは、左房機能が低下していない方でも、「左房うず流」が消失していることがあり、この指標は早期の左房機能低下を反映する可能性があります。
今後、さらに検討を重ねたいと思います。