柴垣有希先生の論文が掲載されました

柴垣有希先生（現 名寄市立総合病院小児科）の論文が掲載されました。

Discordance Between Thyroid Function and Thyroid-Stimulating Hormone (TSH) Receptor Antibodies in Down Syndrome Patients With Autoimmune Thyroid Disease: A Long-Term Follow-Up Study of Two Cases

Shibagaki Y, Suzuki S, Furuya A, Kokumai T, Takahashi S.

Cureus 2025; 17(2): e78457.

大学内分泌・糖尿病グループ研修中の仕事をまとめたもので、以下、論文の要旨になります。

本研究は、ダウン症候群患者に特有の不安定な甲状腺機能と、甲状腺刺激ホルモン受容体抗体（TRAb）の内訳である甲状腺刺激抗体（TSAb）および甲状腺刺激阻害抗体（TSBAb）との不一致について検討したものです。

通常、TSAbはバセドウ病、TSBAbは甲状腺機能低下症に関連していますが、ダウン症候群患者の長期経過観察により、必ずしもこの対応関係が成立しないことが明らかになりました。

本研究の結果は、ダウン症候群患者の自己免疫性甲状腺疾患の治療方針を決定する際、甲状腺機能とTRAbの不一致があることを踏まえた総合的な評価の必要性を示唆しており、今後の治療戦略の見直しや、より適切な患者管理に寄与することが期待されます。