学会旅日記 第21回

循環器グループ・今西 梨菜です。
2025年1月10日〜12日の3日間、大阪国際会議場で開催された第26回日本成人先天性心疾患学会 総会・学術集会に参加してきました。

旭川から飛行機を乗り継いだ先に、北海道の銀世界から一変した青空が広がりました。寒波の影響を受けて思いのほか肌寒さを感じましたが、久々に雪のない地面に降り立ち、歩きやすさに感動しました。

成人先天性心疾患学会の会場には、例年多くの参加者が集まります。小児科医は勿論のことですが、循環器内科医、心臓血管外科医、産婦人科医、コメディカルなど幅広い分野で活躍する医療者が参加しております。

先天性心疾患の患者さま方の多くは小児期に発見され、小児科が診療に携わらせていただきます。しかし、疾患の性質上、大人になっても定期的な通院や治療を必要とされる方が多くいらっしゃいます。小児科医は乳幼児期〜思春期の長い時間を一緒に過ごしますが、就職や進学を機会として小児科を卒業して成人科の先生にバトンタッチすることが多いです。

小児科医にとって本学会は、どのようにバトンを渡すことが適切か、小児科を卒業された患者さま方が困らずに成人期を過ごせているか等、成人科の先生たちと議論や交流をしながら学びを深めることができる貴重な機会となっています。

今回の学会でも、多くの活発な議論や交流が行われました。フォンタン患者におけるFALDの管理の現状や、心不全治療の最前線など、最新の知見を多く学ぶことができました。

私自身は、学会最終日に「難治性の蛋白漏出性胃腸症をどのように管理するか?」という企画セッションで症例発表をしてまいりました。会場から様々なご意見をいただき、他の困っている患者さまの今後にも繋げられる発表ができたと感じています。

ほかに、循環器グループから岡 秀治先生がシンポジウムと一般口演で一題ずつ、柴垣 有希先生が「ACHD画像の最前線」というセッションで一題の発表を行いました。質疑応答も盛んに行われ、当教室の熱意ある小児循環器診療を全国にアピールできたのではないかと感じています。

小児期から成人に至るまで、患者さまご本人は勿論のこと、ご家族の皆様にも安心して過ごしていただけるような診療を目指しております。今回の学会参加で得た知見を活かし、より良い医療を北海道の皆様に届けられるよう今後も循環器グループ一同で精進してまいります。

循環器グループ 今西梨菜