学会旅日記 第22回

神経グループの芳賀です。

2025年6月4日から7日にかけて、鳥取県米子市で開催された第67回日本小児神経学会学術集会に参加しました。

米子市は鳥取県西部、島根県との県境に位置し、東に大山、西に中海、北に日本海を臨む自然豊かな都市です。鳥取大学医学部は米子市にありますが、その他の学部は鳥取市(鳥取砂丘コナン空港で有名)に所在しております。

 

初日は移動日のため、旭川空港10時発のJAL便で羽田空港へ向かい、15時25分発のANA便にて米子空港へ移動、人生初の山陰地方に16時45分に到着しました。米子空港は「米子鬼太郎空港」の愛称を持ち、ゲゲゲの鬼太郎の作者である水木しげる氏ゆかりの地として知られています。空港および駅には鬼太郎をはじめとする妖怪に関連した装飾が多く、地域色が色濃く感じられました(車内アナウンスも鬼太郎たちが担当していました)。

 

 

市内宿泊施設の混雑に備え4か月前に駅前のホテルを予約したことが幸いし、チェックイン後すぐに、徒歩数分の学会会場である「米子市文化ホール」および「米子コンベンションセンター(ビッグシップ)」へ向かうことができました。

 

 

ちょうど始まっていたシンポジウム「レット症候群とその周辺疾患:治療研究の最前線」では、髙橋教授が座長を、竹口先生が講演を担当されており、会場は立ち見になるほどの盛況でした。

今回の学会では、日頃診療で悩んでいた疾患に関する講演やポスター発表を聴くことができ、発表された先生や質問された先生と直接お話しする機会に恵まれたことは、大きな収穫でした。

また、本学会を通して、個人的にはグリア細胞の一種であるアストロサイトに対する関心が高まり、今後の学習・研究の方向性に影響を受ける有意義な機会となりました。

2日目の夕方には懇親会が盛大に開催され、会場アナウンスは日本海テレビのアナウンサーが担当され、地元児童による迫力ある神楽の披露や、鳥取県の特産料理・地酒の提供もあり、地域とのつながりを感じられる貴重な交流の場となりました。

 

また、米子市内は駅前を中心に飲食店が立ち並び、鯖しゃぶ、猛者(もさ)海老、白いか、岩牡蠣、白ねぎ(伯州美人)、梨(新甘泉(しんかんせん)、鳥取和牛など、地元の特色ある食材が多く見られました。

 

 

空き時間には米子城跡を訪れることができました。天候にも恵まれ、城跡からの眺望は非常に素晴らしかったです。

 

 

帰路の際、米子駅のホームに、日本各地の妖怪に関する掲示を見かけました。北海道の妖怪としては、カルビーのスナック菓子「じゃがポックル」の由来となっているコロポックルや、オッケルイぺ、熊神、パウチ、ホヤウカムイが紹介されていました。個人的にはコロポックル以外は初めて聞いた妖怪でしたが、調べてみると特にオッケルイペは興味深い存在でした。

 

またこの旅日記を書くにあたり、「水木サンの幸福論(水木しげる著、角川出版)」を読んでみたところ、水木氏は自身のことを水木サンと呼び、赤ちゃんだけでなく子ども全般のことをベビイと呼ばれていたことからも、とても個性的な方だとわかりました。この本の『第一部 水木サンの幸福論』には幸福観察学会(会員一人)の会長として水木氏が提唱された「幸福の七カ条」が記載されていました。ネットでも検索すればすぐにでてきます。米子で開催されたことで出会えた貴重な言葉であり、皆様もご興味あればご検索ください。

なお、来年(第68回)の日本小児神経学会学術集会は、2026年6月3日〜6日、栃木県宇都宮市で開催予定とのことです。