夏らしいこと

山の日を間近に控えたある日、

医局から遠く旭岳を眺めながら思います。今年も夏山に行ってないなあ。
いや、夏山どころか海にも行ってないし、そもそも夏らしいことをあまりできていない。なぜなら最近仕事の日にはよく晴れて、休みの日には天気が悪いから。

そんな中で、やっと迎えた天気のいい休日。
よし、今日は絶対に夏らしいことをしよう。と、心に決めた私が思いついた “夏らしいこと” とは、シンプルに “暑い中、外に出て汗をかく” ということ。そうと決めたら実行するのみ。あえて黒いTシャツを着て、帽子もかぶらず、炎天下を自転車に乗って出かけます。そして向かった先は、

近所のすこやか小径。別に行き先はどこでもいいんです。とにかく「暑い、暑い」と言いながら外で汗さえかければ、それが私にとって夏らしいと思えることなんですから。

さっそく炎天下の中、自転車で走っていると、

蕎麦の花が綺麗に咲き、

そして稲穂も少しずつ実り始めていました。夏真っ盛りの中でも、遠く耳を澄ませば秋の足音が聞こえてくるようです。

田んぼ脇のせせらぎにはツユクサが咲いています。ああ、なんて夏らしい情景なんだろう。

穏やかな川の流れの中に、青い空と白い雲が映っています。この景色を見ながら、思わず井上陽水の「少年時代」を口ずさむ私。

ふと青空を見上げると、飛行機が飛んでいました。あの中には夏休みで旅行中の人達もたくさんいるんだろうな。

そして、遠くに見える十勝岳連峰。来年こそは、すこやか小径じゃなく、ちゃんと夏山に出かけて夏を感じたい。待ってろ、十勝岳。

ということで、わずか1時間弱で “夏らしさ” を満喫し、家に帰って冷えた麦茶を一気飲みすると、汗が吹き出て更に大満足。

そんな私の唯一の誤算が、

日焼けという名の1度熱傷でした。ああ、シャワーを浴びても痛い。

でも、近所の小径で夏を感じたり、日焼けの痛さを気に病んだり、こんな普通の一日を送れるって本当に幸せなことですよね。

今日は79回目の終戦の日。
平和な今を生きていることに、感謝。