若手関連病院日記 第6回~旭川編~

こんにちは。第6回目は旭川医科大学から程近い、旭川厚生病院からお届けします。
6年目の柴垣有希です。

旭川厚生病院は、小児科医13人という、関連病院の中で最も大所帯です。
せっかくなので、『関連病院日記』という名前にちなんで、たくさんいる小児科医の働く様子を中心に、とある日の様子を日記としてしたためました。
かなり主観的な文章ですが、日記ということでお許しください。

まずは、NICU病棟です。この日も朝は、入院患者さんのカンファレンスから始まります。中心になっているのは、病棟のBOSS、佐藤敬先生です。

その膨大な知識量と新生児科医としての背中はいつも大きく頼もしく、さらに、この写真が物語るように、ユーモア溢れる語り口調でいつも周りに人が溢れます。
そんな佐藤先生は甘いものが大好きで、先日当直明けに、余ったプリンを私にくれました。さらに佐藤先生が好きになりました。
優しい笑顔で赤ちゃんの診察をしているのは、山木ゆかり先生です。その温かい人柄と診療への誠実な姿勢で人望は厚く、みんな山木先生が大好きです。それでいて談笑中に見せる鋭いツッコミは秀逸で、山木先生の周りはいつも笑いが絶えません。

2階には小児病棟があります。


扉をくぐって中を覗くと、入り口すぐそばの電子カルテの前には、いつも津田先生が座っています。
病棟の様子や、どの先生がどこにいるかまで把握していて教えてくれる、まさに病棟の番人です。
おうちでは一児のパパで、お子さんにはデレデレです。以前、お子さんがここに入院したときには、『痛いことをして嫌われたくないから』と、点滴などの痛い処置は全て私がやりました。当然の親心ですが、泣きながらパパと同じ目をして私を睨んだあの顔を、私は忘れません。


隣の処置室には、研修医指導中の吉川先生がいます。ばっちり適切な指導で、ルート留置は見事成功していました。

吉川先生と地元が同じでかれこれ18年の付き合いになりますが、疲れていても忙しくても、いつも皆に優しい人です。
普段は見せませんが、歌とダンスが得意で、入院患者さんを楽しませるため時々踊ってくれます。もし遭遇したら、ぜひ、『踊って!』と頼んでみてください。

午後は、赤ちゃんの心エコーをしました。
小児循環器グループに所属している私にとって、エコーはとっても大事な存在です。
「今日もよろしくお願いします」とこの子(エコー)にまず挨拶をします。


しかしこの子は既に、昨年度までここで勤務されていた、先輩・伊藤啓太先生(小児循環器)の『仲良しのお友達』です。

きっとこのエコーにとって私はまだ、『なんかよく話しかけてくるやつ』程度です。早く『お友達』になれるよう頑張ります。
この日の心エコーは、島田先生(小児循環器)と行いました。

このように、当院で生まれた赤ちゃんの心臓は、小児循環器の真鍋先生や島田先生を中心に診ています。お二人とも私の師匠です。
私が分からないことを尋ねると、抜群に上手な指導で、いつも私が分かるまで丁寧に教えてくれます。それに加えて仕事はいつも早くて的確で、本気のときにはギアがさらに上がり、驚異のスピードで物事が進みます。
私の密かな目標は、真鍋先生と島田先生よりも先に全てを終わらせ、二人が気づいたときには『もう私が全部やりました。』と言うことです。

余談ですが、これは、私がコロナでダウンしたときに真鍋先生が送ってくれた写真です。すごく元気そうな皆さんからのエールで、とても元気になりました。

記したのはほんの一部ですが、患者さんにもスタッフにも愛情深い先生方と、毎日このように働いています。
学生や研修医のみなさん、旭川厚生病院は、医師の年次も幅広く、研修体制が確立しており、笑顔の絶えない現場です。興味がありましたら、いつでものぞきに来てください。

撮影:千葉菜々、柴垣有希、山木ゆかり