定点観測

北海道では紅葉の季節が終わりを迎えようとしています。

散り積もる落ち葉を見ると、季節が着実に冬へと向かっていることを実感します。そしてもう一つ、季節の移り変わりを実感させるのが、早くなっていく日没の時間。同じ場所から眺める景色は、この数か月で大きく変わりました。

7月末、枝幸出張中の一コマ。
診療が終わり、帰りにちょっと寄り道しようと車でウスタイベ千畳岩に向かうと、

17時台は、まだこの明るさです。

ハマナスの実も色づき始めでした。

青い空と、青い海と、中年男性の影。
岩肌に映る物憂げな私のシルエットを除けば、実に夏らしさを感じる景色です。

それが9月末になると、

同じような時間なのに、すでに日が暮れようとしています。そしてこの後少し時間が経つと、

段々と夕焼け雲が広がり、

次第に空も海も薄紅色に染まり、

最後は薄紫色に変わりました。
なんとも美しい秋の夕暮れ。約30分の天体ショーでした。

それがさらに10月末になると、

同じような時間なのに、もうすっかり夜の景色です。
遠く水平線の近くに見える船の灯り。港町ならではの風景ですね。

月の光が照らす穏やかな晩秋の海。気温も下がって長居はできませんでしたが、こんな風に同じ時間、同じ場所でも見える景色は大きく変わり、そしてそのことで私は季節の移ろいを実感するのでした。

さて、これからやってくる本格的な冬。雪の季節は公共交通機関で出張に出かけるため、今度この場所を訪れるのは来年の春以降になります。次はどんな景色を見ることができるだろう。