何のために?

こちら、大学病院にある外来診療棟の中庭。

四季折々の眺めに癒されることもしばしばで、今は木々の緑や草花達が目を楽しませてくれます。
そんな中庭を眺めがら、外来棟を階段で移動中にふと気づいたのが、これ。

階段の窓の下に立ち並ぶ、まるで生け花の剣山のような鋭利な金属群。癒しの中庭にそぐわないこの物騒なものは、一体何のために設置されているのでしょうか?
ちなみに私が捻り出した答えは「カラス避け」ですが、多分違うんだろうな…。誰か正解を知っている人がいたら教えて欲しい。

変わってこちらは、当直室の冷蔵庫の中。

一体何のために、これだけたくさんのブラックコーヒー、コーラ、そしてレッドブルホワイトエディションまで入っているのでしょうか?これは、当直で働くためにカフェインを大量摂取しようとしている…のではなく、日々の飲み残しがそのまま残っているだけなのでした。ちゃんと後始末しましょうね。

そしてこちらは、出張先の乳幼児健診会場にあったもの。

最近すっかり医療現場で見なくなった「シャウカステン」。初めてその名を聞いた時、某食品メーカーの粗挽きソーセージが頭に浮かんだ私でしたが、何のためのものかと言うとX線写真を見るための照明器具です。今はX線写真のデジタル化が進んだため、ほとんどお目にかからなくなってしまいましたが、かつては診療の場面だけでなく、カンファレンスなどでフィルムをかけ、蛍光灯をつけて所見をプレゼンしている所に人が集まってくる、なんてことが日常の光景でした。

これは10年ちょっと前の総回診前カンファレンスの様子。
でも今はデジタルデータをプロジェクターで投影できるので、みんな席に座ったままで画像を供覧できます。しかも、拡大や回転や階調処理などの画像操作だって思いのまま。時代は変わりました。活躍の場を失ったシャウカステンよ、お前はこれから何のために生きていくのか。

そして最後は、その出張先での出来事。
出張に行くとほとんどの時間を外来や健診会場で座って過ごすので、運動不足になりがちな私。この日も1日の診療が終わった時点で、スマホの歩数計はわずか800歩あまり。これはいかん、運動のために少し体を動かそうと決心して、ブラブラ散歩に出かけます。

何気ない夕暮の風景にノスタルジーを感じながら、約30分で4000歩程度稼ぎます。
そしてたどり着いた先で、

人気ナンバーワンメニューのポークチャップライスを完食し、そして途中コンビニでビールまで買って帰った私。一体何のために歩いたのかが分からなくなってしまっていたのでした。