晴耕雨読

ある日曜日の朝、溜まっている仕事を片付けようと歩いて大学へ。そして7階の医局に向かおうとした私を待っていたのは、

あっちゃー、そういえばそうだった。呆然と立ち尽くす私の姿を見透かしたかのような、この施設課のイラスト。くっそー、こうなったら、

気合いで7階まで上がってやる。と、途中息切れしながらも何とか頑張って医局に辿り着きましたが、当然ながら建物全体が停電なんですよね。

ということで、

廊下を見渡しても、

部屋に入っても、誰もいません。皆さん賢明ですね。そして薄暗い建物の中で気付きます。外はなんて明るいんだろうと。そう、この日は秋晴れのいいお天気だったのでした。
そして私の頭には「晴耕雨読」という言葉が浮かびます。よし、パソコンに向かうのは雨の日にして、今日は帰って晴れの日にしかできないことをしよう。

そんな現実逃避を決心した私が大学の中央玄関を出ると、

本当に気持ちのいいお天気です。せっかくだからちょっと遠回りして帰ろうかな、と思っていたところで向こうから赤羽先生がやって来ました。
「今日停電で、仕事できないから帰るわ」という私に対し、「え?停電だってできる仕事なんて色々ありますよ」と言い放ち、大学の中に消えていく彼。罪悪感プラス敗北感が芽生えますが、この秋晴れの空と晴耕雨読という言葉が私の背中を押します。そう、溜まった仕事は雨の日にでもできる。今日は晴れの日にしかできないことをやるんだ。帰ると決めたら帰る。

で、気を取り直して少し歩くと、

十勝岳連峰が遠くに見えます。そして私の決心を讃えるかのような青空。私の中の罪悪感や敗北感は、このどこまでも広がる秋の青空に消えていきます。ついでに溜まった仕事もどこかに消えていけばいいのに。

さらに歩くと、

正に「晴耕」の風景。晴れた日曜日にお疲れ様です。

そして、

近所の公園ではコキアが色づき始めています。ふと「秋、コキア」という回文を思い付き、「座布団一枚!」と一人微笑む私…。

そして帰宅してお昼ご飯を食べたら、さっそく「晴耕」。ということで、この日私がやろうと決めたこととは、

今年最後のモロッコインゲンの収穫でした。そして、

収穫後に根っこから引き抜いて、支柱やネットを片付け、更に畑に残った根や茎を取り除き、鍬で畑を掘り起こします。さて、来年は何を植えようかな。

こうして秋の晴れた日に畑仕事で汗を流し、大満足の私でしたが、その後溜まった仕事は全く捗りません。
それは雨の日がやって来ないせいなんかじゃなく、単にやる気の問題なのは言うまでもないことなのでした…。